「お伊勢参らば津島へ参れ、津島参らば片参り」と歌われた 天王信仰の総本社 津島神社:愛知県

由緒ある牛頭天王社の総本社、信長は当社を氏神に、秀吉の楼門の寄進、徳川義直の社領の寄進する等、尊信を

津島神社のご由緒

 牛頭天王社と称された愛知県津島市にある「津島神社」は、欽明天皇元年(西暦540)に創建された古社であります。牛頭天王は元々、インドの祇園精舎の守護神であり、薬師如来の化身とも言われているため、古来、津島神社には難病治癒の祈願に訪れる参拝客が全国から参詣しました。建速須佐之男命を主祭神に大穴牟遅命を相殿に祀る、牛頭天王社の総本社です。
 言い伝えによると、弘法大師が訪れて以来、津島神社境内にあった神宮寺に薬師如来が祀られるようになったのだと言われました。江戸時代末までは日本は神仏習合であったため、津島神社境内に4つの寺があります。現在、そのひとつであった宝寿院に薬師如来は安置されており、「厄け薬師」として親しまれています。津島神社は、諸国にある天王社の総本社でもあり、全国には約三千のご分霊社があります。

津島神社拝殿

津島神社の興味深い歴史

 全国に津島の天王信仰が広がった背景には、室町時代以来の津島御師の活躍がありました。全国津々浦々を廻ってお礼の領布や祈祷などを行い、疫病退散の御神徳ある津島天王信仰を広めて檀那先を増やしていきました。
 各地の農村で檀那が講を組んで、代表者が津島詣でをする際には、御師の家に宿泊した。御師の家では神楽や豪勢な酒宴で檀那方をもてなしていたという。今では布教活動をする御師は姿を消してしまったが、津島神社の社家のひとつで御師をしていた氷室家が、天王川公園の東側に保存されて残っています。
 織田信長は当社を氏神として尊敬して社殿の建築にも尽力しました。織田家の家紋は当社の神紋と同じ木瓜紋である。天正19年(1591)に豊臣秀吉が寄付したと伝えられる「楼門」(東門)、徳川家康の4男で清洲城主だった松平忠吉の妻・政子が、夫の病弱を憂いて寄進した慶長10年(1605)の建立の「本殿」、それぞれが桃山様式を今に伝える建物として、国の重要文化財に指定されています。織田、豊臣、徳川家から手厚い尊信を受けていました。御祭神に建速須佐之男大神をお祀りし、古くは牛頭天王社と呼ばれ、西の八坂、東の津島と言われる程の天王信仰の総本社です。

天王川公園

津島神社の祭事

 年間を通していろいろな祭りがありますが、代表的な祭りを紹介します。
1月の和魂社例祭 [茅の輪くぐり](1月4日)。2月の節分豆撒き式(2月3日)、奉射祭(2月15日)、鳥呼神事(2月23日)。3月の開扉祭[おみと](3月1日)、祈年祭[春懸祭](3月17日)、小朝拝[七草祭](3月31日)。4月の太々講神楽(4月1日~13日)、闘鶏転供祭(4月2日)。花の撓 [はなのとう](5月1日~5日)。6月の大祓(6月30日)。7月の尾張津島天王祭 宵祭(7月26日)、尾張津島天王祭 朝祭(7月27日)、神輿還御祭(7月27日)。8月の神葭祭(8月4日)。10月の重陽祭(10月2日)、秋祭(10月5日)。11月の明治祭(11月3日)、新嘗祭[春懸祭](11月23日)。12月の大祓(12月31日)などがあります。
 何と言っても一番のお祭りと言えば、7月の第3土・日に行われる全国的に有名で日本三大川祭りのひとつに数えられている「尾張津島天王祭」宵祭りと朝祭り。10月の約300年前から始まったと言われる豪華絢爛の山車で有名な「秋祭り」ではないでしょうか、見応えある祭事に多くの観光客が集まる歴史深いお祭りです。いろいろな祭事で、たのしみな津島神社です。

愛知県津島市神明町一番地
電話 05687-26-3216
http://tsushimajinja.or.jp/

津島天王祭 宵祭り

楼門(津島天王祭時)

(ぶら旅ネット K.Yamada)

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